ツリーに表示されているものが今回使用しているMAPです。
上記以外に「点火補正」「気筒別点火補正」「レブリミッターカット」を使用しています。
どちらもエンジン損傷に直接結びついてしますMAPなので、ここでの開示は差し控えて起きます。

水温補正MAP

今回のお車は水温が55℃〜70℃程度での始動時不安定な症状があった為補正をかけました。ついでなので水温100度時増量補正を入れておきました。水温が100度を超えると燃料を増量して燃焼室の温度を下げると共に、エンジンのフィーリングを重くすることでブローを回避する確立をあげています。

インジェクター補正MAP2です。

このMAPでは4500rpm以下とノーマルECUのフィードバック領域を補正しています。

縦軸にはエアフロ電圧を選んでいます。


インジェクター補正MAP1です。

このMAPではノーマルECUのフィードバックが掛からない全開領域且つ4500rpm〜補正をします。

縦軸にはスロットルを選んでいます。

エアフロ補正MAPです。

今回のお車はあまり必要なかったのですが一応・・・
アイドリング時のエアフロ電圧を目標値にクリップする感じです。


燃料噴射時間をイニシャル調整します。

ノーマル100に対して117と入力することで、増量分を演算した噴射時間を出力します。
117 × 85.4% ≒ 100  
この場合、噴射時間が4msの場合
       4ms × 85.4% ≒ 3.416ms となり、増量分を打ち消します。

この数値の求め方は、ノーマルECUのフィードバック数値が燃料増量前と同じ程度になるように調整しますが、セッティング中に燃圧と共に微調整していきます。

左がセッティング初期の画像です。一番下のピンクのラインが空燃費のグラフです。右の画像はセッティングが進み、ピンクのグラフがまっすぐになってきたところです。
SPIMINI用サブコン・トラストEマネージアルティメイトのセッティング                平成26年9月14日



以前Eマネージを装着したデスビ点火仕様のミニですが、装着時よりレブリミッターカットがうまく作動せず、お車をお預かりして色々調べたところ点火系統の閉角時間の関係で点火干渉を起こしていることが判明。確実に作動させるには’97〜のECUに改装して同時点火にしなければならず、オーナー様了承の元改装しました。本日筑波サーキットで最終調整を行いようやく問題なく動くようになりました、ただオーナー様に納車後冷間始動時に不安定な症状が出るのとの事でしたので、この部分はもう少し気温が下がってから再調整したいと思います。

レブリミッターカットはインジェクションミニへEマネージを装着する上での利点ですが、本来の使い方としてはエンジンの仕様に合せて燃調と点火時期の補正が出来、セッティングスキルが上がればノーマルECUでは使用出来なかったカムの装着も可能なアイテムです。が・なかなかそこまでのスキルを身に付けようと思う方は少ないようです。キャブレター&点火時期のセッティングが確実に出来、ノーマルECUの動きを理解していれば簡単にセッティング出来るようになるのですが・・・
今回調整するエンジンの仕様は、+20ピストン・ステージV相当のヘッド・スイフチューンSW05カム+1.5ロッカー仕様で、私の経験上ぎりぎりノーマルECUで稼動する仕様です。今回は最高回転数を高めに設定する為、インジェクターの噴射量を増やすので、燃料ポンプも交換しています。また今回、回転信号のノイズがどうしても消し切れなかったので対策部品も追装しました。

まずエンジンの目標回転数を決めます。1速・2速では7000rpmオーバー回せそうなので1割り増しの7600rpmをレブとして設定しました。当然ここまで燃料の噴射量がついてこない為、レギュレーターを外付けして燃圧を1.7`まで上げます。この時点でノーマルECUのみでの稼動は出来なくなります。この数値の決め方はロガーを使い7600rpmまで空燃費が目標値になるように調整してきます。



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